京都から愛媛までママチャリで行った話~二日目~(前編)

二日目。スマホのアラームで目が覚める。梅田のネカフェの寝心地も悪くないな。シート結構広いし!でも会計をしようと早朝6時頃にレジに並んでいたときにワイシャツを着たいかにも「会社から来ました」みたいな恰好の男女二人組が一緒に(真顔)で入会申し込みなどを行っていたのは何だったんだろう。梅田の懐は深い。

そんなこんなで、6時19分に梅田出発。

 

 

f:id:kirimanjyaro7:20181109004900j:plain

早朝の梅田。右手にはドンキがある。ちなみに左手には牛丼チェーン店の松〇もある。さらにちなみに、おれはす〇家の牛丼の牛肉が一番牛肉っぽいなと思っている。

 

さて、ここから西に進んで愛媛を目指すのだが、西へ行くには国道二号線に沿って走るのが手っ取り早いように思う。なぜかというと、二号線は梅田を起点に九州まで突っ走ている道路だからなのである。ずっとこいつについて行き、途中ひょいっと広島辺りで南に曲がれば愛媛に着けちゃうということである。簡単お手軽である。いあ、でもすごくね。一本の道路が九州まで伸びてるんやで。この国道二号に沿って延々と走り続けさえすれば、九州に着くっていうロマンヤバすぎ。ちなみにおれは高2の頃、この二号線を一人カッ飛ばして兵庫の明石まで行って一人海水浴をしたことがある。あんまり楽しくなかった。

 

 

f:id:kirimanjyaro7:20181109005532j:plain

国道二号線の起点すぐ近くの写真。起点から漕いで目的地を目指すこの悦び、分かり手が欲しい。いれば連絡ください(大真面目)。

 

 

粛々と漕ぐのだが、まあじっさい気分は微妙である。なんせここからあと300kmもあるのだから...。300kmて。大阪京都間3往復できるで。ああ、少し眠い。

f:id:kirimanjyaro7:20181109011016j:plain

なんで撮ったかよくわからない写真。せっかくなので、この記事では意図が不明でも撮った写真は全て上げる予定。にしてもなんだろう、このときのおれは白リムジンバスに感銘でも受けたのだろうか。

 

 

しばらくしたら淀川を横切ることになりいずれ尼崎につく感じだったけなと、まあチャリを漕ぐ。そうしたらちゃんと川が出てきて一安し

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

虹だーーーーー!!!!!!!!!!!

f:id:kirimanjyaro7:20181109011716j:plain

遠くに掛かる虹。手前に見える明らかにヤバい雨雲は無視しておこう。

 

少しテンションが上がるも、おれはとにかく漕ぎ続ければならない。なんせ月曜の朝には何がなんでも京都に到着していなければならんのだ。昼から必修授業と大事な基礎演習が二コマ連なっていたりするので。うん。

 

 

 

 

 

 

ん?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

f:id:kirimanjyaro7:20181109012307j:plain

 

 

 

 

 

雨雲ヤバくね?

 

 

 

 

 

 

え、おれここに向かってチャリ漕ぐの?え?

しかし、絶対に雨が降ると分かっていてもチャリを漕ぎ続けねばならんのだ。辛いと分かっていても食べてしまう辛口みたいな。

まあいいや。

 

これぞ、時間僅少チャリ旅。

 

 

 

 

f:id:kirimanjyaro7:20181109012620j:plain

またもや虹。なんか天界vs魔界みたいになってる。

 

 

は、まあ雨ごときでひるんでいては到底時間内に到着することなど到底不うわーーー普通に降ってきた。そりゃそうよないやでもえすご、いやマジ降りやないすかこれうわびしょ濡れいや本気か勘弁し※雨が降っていたときの写真は撮れていません。スマホ濡れちゃうので。

 

 

しかし、実はえげつない雨降り中にちょっとスゴイ発見をしてしまった!実は、いや当たり前と言えば当たり前かもしれないのだが、雨が降りまくっているとめちゃくちゃ漕ぎやすいのだ!まあタイヤと道路の間に水が入り込んで摩擦が減るからなんだろうけど、ずぶ濡れで漕ぐといい感じに涼しくなるし正直この旅で一番快適な時間だった。途中、セブンイレブンによって親子丼を買った。でも店に入るために髪の毛の水っ気取ったりしてる時間も楽しかった。雨、割とサイコー!ずっと降ってくれやあ...。

 

 

と、人生、そう思う通りにはいかないもので、意外にも雨はさっさと止んでしまった。おれはさっきみたいな勢いと活気を無くしてしまい、太陽も出てきて気温も上がりタイヤの摩擦も大きくなる。

 

 

f:id:kirimanjyaro7:20181109014121j:plain

多分車が右車線に整列しているのがおもしろいと思って撮ったであろう写真(推測)。

 

 

f:id:kirimanjyaro7:20181109014255j:plain

これは謎。

 

 

幸運と言っては何だが、予定を大幅に上回るペースで神戸に着いた。早く着きすぎてこの日中に広島の尾道まで行けてしまうのでは?と思ったほどだ。そして有名なあの場所に至る。

 

 

f:id:kirimanjyaro7:20181109015031j:plain

 

 

ン大橋ィ!(^○^)

こやつがかの有名な「明石海峡大橋」である!!ちなみに9時56分に着いた。かなり早い。まあ軽く写真を撮って素通り。タイムリミテッド・デスパレード・チャリ・旅をしていると単純に「観光」という概念が消滅する。

 

大橋を過ぎ、明石駅を過ぎ、さらに漕ぐ。目指すはン姫路ィ!そう、あの姫路である。ちなみにおれは去年の夏に、やはり国道二号線の沿って姫路までは行ったことはあったので、精神的には気が楽だった。まあ余裕っすよ豚キムチごでごで~というお気持ちであった。

 

 

f:id:kirimanjyaro7:20181109020825j:plain

朝マックが食える時間に姫路近辺に入ることができた。グリドルソーセージ、割とクセになる味で一度食べてみてほしい。

 

 

国道二号線もかなり走りやすくなった。道は広く、路駐も無く、おれはスイスイに漕いでいた。空には青空が広がり、少し横に目をやると緑豊かな、まばゆい田園風景が広がっている。気が付けばおれはチャットモンチーの「バースデーケーキの上を歩いて帰った」を熱唱しながら爆走していた。

f:id:kirimanjyaro7:20181109021037j:plain

 ドゥデデデデデデデデレレレンレ~ン(前奏)バースデーケーキーの上をあーーーるいてーーーーー

 

 

f:id:kirimanjyaro7:20181109021532j:plain

結構好きな写真。去年も同じ構図の写真を撮ったので比較してみたいのだが、データが無かった。かなしい...。

 

 

そして、いよいよ去年引き返した地点までやってくる。

f:id:kirimanjyaro7:20181109212304j:plain

去年との比較画像、見つかれば更新するかもです。

 

さて、ここからは未知の領域である。兵庫県も終わりに近づいてきて、目指すは岡山じゃい。あの岡山だぜえ...。カッ飛ばすぜ!!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

やはり、人生そううまくはいかない。みなさん、一度そうだな、衛星写真でも地図帳でもいいから岡山県を見てみよう。

 

岡山、山がヤバかった。そりゃ「岡」に「山」だもんなあ...。標高of標高じゃないですか。まあ始めは引き続きスイスイだったんですよ。

 

 

f:id:kirimanjyaro7:20181109213002j:plain

スイスイ。いかにも、なスイスイである。

 

 

スイスイ進み、ほんとに40分くらいで10km進むくらいのハイペースだったと思う。国道二号は、いや二号だけに限らないけど起点からの距離が書いてあって、進んだ距離が一目でわかるようになっている。おれ以外人いないし、隣をトラックやらがすごい勢いで追い抜いてくれるので追い風にも乗れまくれた。このときのおれは、控えめに言ってママチャリではなくもはや原付だった。

 

 

f:id:kirimanjyaro7:20181109213532j:plain

エモい緑。こういうところをゆったり漕いでみたいもんである。

 

ああ、このペースだと夜にはフツーに尾道じゃあああん!!!!もうすでに100kmは漕いでるし尾道までも100km、折り返しやああんんんん!!!!なんか100kmが余裕に思えてきた。

 

 

 

山道開始。まあ、こんなもんかと頑張って漕ぐ。ふう。まあまあ疲れるな。お。

また山道か。まあ、よいしょ...。水飲も。うっし再開。

ああ、またお前(山道)ね。うんうんうんうんうんうん。うんうん(チャリから降りて歩き出す)

 

100km漕いでからの無限山道はかなりのかなりキツかった。途中からは、もはや漕げない。押す。隣を延々と走り抜けるトラックを横目に、一人ただチャリを、押す。

 

日が暮れてくる。

 

おれは夜の山道のえげつない怖さを知っている。あれは忘れもしない高2の冬のクリスマス、おれは学校の終業式から家に帰るや否や、突発的にチャリを駆って国道163号線を延々と漕ぎ続けたことがある。こいつは紀伊半島というところを真横に突っ切る道路であって、単純に言うとそのときのおれは真夜中に奈良と三重の山を全部超えて名古屋まで行ってしまったのである。正直に告白しよう。あのとき一人で誰もいない、真っ暗な中、禍々しくそびえ立つ山々に囲まれてただ「なんでこんなことしたんだろう。」という最強の後悔と共にチャリを漕いでいたおれは、途中で普通に泣いた。ありえんくらいに普通に泣いた。マジで怖かった。

 

 

 

 

 

 

そんな、過去の記憶が脳のすき間からじわじわと染み出していたころ、おれは段々落ちていく太陽を、つまりは「夜」の訪れを意味するそれを、尋常じゃない緊張感で感じ取っていた。

 

 

 

 

 

 

ヤバい、山で夜を迎えちまう。(後編へと続く)