店はたのしい

お店、楽しかった。来てくれた人、本当に、ほんとに、心の底から感謝を述べたい。ありがとうございました。

 

デカい穴は自己表現がしたくて始めました。表向きは居場所だとかグレーゾーンだとか、そういったことを言っておりますが、究極的には自己表現がしたくて、始めたのです。

 

大学は演劇サークル、入っておりましたが、まあ、なんかあんま自分のやりたいようにはやれず、つまり自分を外に出すことがあまり叶わず、燻っておりました。心の中の混沌、ごちゃごちゃ。世間に対するイラつき。京都に対する怨恨。全部吐き出して、伝説になって、革命を起こしてやろうと思って、デカい穴を始めました。こんなことリアルに言うのは恥ずいっすからね、誰にも言うてませんでしたが。革命を起こして伝説になりたかったんですね。

 

まあ、自己表現ができたか、伝説になれたか、ましてや革命を起こせたか、となるとかなり怪しく、まあ、道半ばって感じですが、店の経営権を全面的に委譲して、あとはサポート役に徹することにしました。特に深い理由もないですが、京都も7月から離れることにしました。

理由は、マジあんまない。

 

表現をするぞ、革命を起こすぞと、冗談抜きに毎日思っていた二年とちょっとでした。そうするとどうなるか。単純に疲れるんですよね。いや、毎日誰かしらきてくれて、お話するのはほんとうに心の底から楽しく、生きててよかったな、ほんとにみなさん大好きで、こんなに楽しませてもろてお金までいただいてええんかなと本気で悩みながらやりつつ、やはり、自分の表現欲求みたいなものが満たされないのも強く思ってしまい、そういった自分の精神と、リアルな物質空間としての店との齟齬に、単純に疲れまくってしまった。あと、自分の身体の性質上、同じところに留まり続けることが本当に無理であり、これ以上やるとなんか、ヤバいな、引き返せなくなってしまうかもな、と思い、全部人に譲るか〜となりました。

 

この文章も誰に書いてるかわかんないですが、まあ、総括てきなものは、あんますきじゃないしするつもりもなかったんだけど、急にしたくなったからした、そんな感じです。40〜50代のジジイになってからまた店やりたいな。いやあ、お店ほんといいですよ。毎日幸せ。みなさんきてくれてほんまにありがとうございます。

 

今後は完全なる"無"になる予定です。色々あって、無になることが人生にガチになることになるなっておもいました。どうせすぐ辞める会社に勤める必要もないし、他にやりたいことがあって、経験とか積むのも意味不明だし、ストレートにやるか、そんな感じです。食っていけるかは不明ですが、芋とかは探せばあるので、余裕です。別に貨幣を食物に交換する必要はなく、直接収穫すればええんですね。自分探しとか、放浪とかではなく、一旦全部サラにして、心の赴くままに、手当たり次第全部やるか、そんなところです。「やりたいこと全部やろう」これは店のショップカードにも書いとりますが、まあ、シンプルにハコなくてもやりたいことできるわな、もっと色んな世界みたいな、この世の行けるところは全部行き尽くしたいな、そう思いました。で、何かをマネタイズできればよいな、店やってる中で自分の中に強くあった清貧思想は割と抜けたので、躊躇なくカネ儲けできる精神状態にもなれそうだし、かなり博打だけど、のらりくらりやっていくしかないですね。

 

デカい穴、何もかもクッソ変わればいいなっておもてます。あの空間を好きでいてくれたみなさまにはちょっと申し訳ないし、無責任な感じもしますが、まあ、意味わからん風が吹いて結局謎なの、いいじゃないですか。元から特にコンセプトもないし、みなさまが持ってきてくれたモノたち、アイデア、改良、落書き、破壊、不法投棄等々であの空間は成り立っているわけで。後任の人もより意味不明にしていってくれると考えておりますので、みなさまどうぞよろしくお願いいたします。僕はドンドン、もっともっと風を吹き込みたかったのですが、シンプルに息切れしてしまいました。普通に、無念。後悔もやり残しもたくさんあるけれど、まあ、こういう見切りの連続で人の生命は成り立っているのかも、と自分を騙しながら、無に帰す予定です。

 

これまで来てくれたみなさま、本当の本当にありがとうございました。これからの京都市北区紫野南舟岡町85-2 2階に、ぜひともご期待ください!

 

(備考:4/4付で新店長就任。2〜3ヶ月は半々くらいで店に立ってやっていく予定。)